レポート183号 2021年1月

●巻頭言
最大の悲劇は善人の沈黙である(キング牧師)

2021年(令和3年 [辛丑かのとうし])が明けました。新型コロナウイルス感染症蔓延の収束が見通せないままですから、とても“おめでとうございます”とはいえない新年です。“今年こそ”という期待が強いです。
2020年“今年の漢字”は、『密』でした。コロナ禍で、“三密”を避けることが大きく印象に残ったのでしょう。政治決定過程が詳らかにされないことが多くなっていることも、密室政治として印象に残ったようです。ITを駆使したリモートの生活が、人間関係をより密にしたことも、また逆に人間関係の“密さとは何か”を考えさせられた、といったことも『密』を選んだ理由だそうです。
コロナウイルス感染症の蔓延を、現在、経験している最中の私たちの生き続ける目的も、先にも申しましたが、“種が生き残り続ける”ということが最優先に考えられなければならないです。ですから、経済が豊かになることよりも、すべての人々の命を守るということを最優先に考えるべきです。その観点から、いつの日にかには、最近の社会の動きがしっかり検討されるべきです。
コロナウイルス感染症蔓延の間、いろいろなことに気付かされました。コロナとともに生き続けていかなければならない今後に、参考にすべきことも多いです。生き続けていくために、何が今必要なのか、必要で無いとはいえないものでも、少し先に延ばしても良いのではないか、等々いろいろと考えさせられたことも多かったです。
困るのは、経済活性化のために必要と思われることでも、やってみると、感染拡大につながってしまうといったことです。命を守るための行動か、経済活性化のための行動か、どちらを優先させるべきかは、難しい選択です。“二兎追うものは、一兎をも得ず”なのかもしれません。
日々の生活で、当然と思っていることでも、生きていくのに絶対に欠かせないものか、少し我慢できるものか、との選択を考えねばならないです。答えは人それぞれです。絶対こうであるというものはないでしょう。しかし、誰であっても欠かせないものの第一は、“食べること”であると実感させられました。
色々な趣味を我慢したり、旅行を我慢したり、買い物を我慢したり等々は、できる可能性はありますが、食事をしないわけにはいきません。食事のやり方が変わったとしても、食事を無くすことは絶対に出来ません。この事実を思い知らされました。
今一つ気付かされたことがあります。それぞれの国のそれぞれの事情により、簡単に、輸出を禁止したり、輸出先を変えたりするということです。多くのものを輸入に頼っている日本にとっては、まことに困った、恐ろしいことです。輸入を止められないように、常に相手国と友好状態を保つように心掛けていたはずです。それにもかかわらず、事情が変われば簡単に輸出はストップされてしまうのです。
絶対に欠かすことのできない食糧のカロリー自給率は、37%(2018)です。1945年には90%近くあった食糧自給率が、1960年代頃より下がり続けているのです。何時輸入が止まるかもしれない可能性があるのですから、これで良いのであろうかと、考えさせられます。日本の食糧安全保障はどうなるのでしょうか。
日本食には欠かせない味噌、醤油、豆腐や納豆の主原料は大豆です。その大豆の自給率は、わずか6%(2018)です。一番の輸入国はアメリカです。7割近くを占めています。アメリカは農業大国です。さらに経営の効率化を最大限に考える国です。ですから、収量の安定化や最大化を最優先に考えます。安全性は証明されているといって遺伝子組み換え商品を積極的に生産します。安全性は、何世代もの先にならないとはっきりと分からないものです。それを実験室だけの結論で、安全だと断定しているのです。人類が生き続けるためには恐ろしいことです。
小麦の自給率は12%(2018)です。パンをはじめ、日本食には欠かせない麺類や粉もん等々の主原料です。これも輸入先の第一はアメリカです。5割ほどがアメリカよりの輸入です。これも遺伝子組み換えや農薬散布など安全性が危惧されています。
日本列島の周りはすべて海に囲まれているにもかかわらず、魚介類の自給率は55%(2018)程度です。漁業者が減少していることも大きな要因でしょう。地球温暖化や外国漁船の乱獲なども要因であるようです。
牛肉の自給率は36%、豚肉の自給率は48%、鶏肉の自給率は64%です。肉類は今日の食生活には欠かせないものです。どれをとってもそれほど高い自給率とはいえないです。しかし、国産といわれている牛、豚や鶏を飼育する時の飼料の自給率を考慮すると、牛肉、豚肉、鶏肉の自給率はそれぞれ10%、6%、8%になります。(いずれも2018のデータ)
毎日の食事に欠かせないもののひとつに鶏卵があります。鶏卵の自給率は96%です。ホッとするデータといえます。しかし鶏卵を産む鶏の飼料の自給率を考慮すると、鶏卵の自給率はわずか12%になります。
日本食に欠かせないもののひとつに胡麻があります。日本食を特徴づける顔ともいえる食材です。胡麻の年間消費量は16万トンになります。しかし自給率はわずか0.1%です。これでは、胡麻は、日本食を特徴づける食材の代表の一つとしては、誠にお寒い実情です。胡麻は、栽培はもちろん、消費する形状にまで加工することが、非常に面倒です。機械化もできないです。労働生産性の効率が悪いのです。ですから、日本の農業者がやらなくなったのです。
50年前頃の1970年代には、総世帯数に占める総農家の割合は50%以上ありました。農家人口は6,000万人以上でした。最近の基幹的農家世帯の総世帯数に占める割合は、3.4%程度です。基幹的農家人口は136万人ほどで、平均年齢は67.8歳です。(いずれも農林業センサスデータより)これでは食糧自給率の向上は望めそうもありません。
最近、比較的若い働き手が、新たに農業に従事することが多くなったとマスコミで伝えられています。しかし、マスコミで、わざわざ取り上げられる程度のものなのです。日本中の労働力の多くが、大きくうねりながら農業へシフトしているのではありません。
若者にもてはやされている農業の大半は、効率の良い農業です。機械化が十分にできるものや、ITを駆使して効率よく利益が得られるものです。昔ながらの汗水流して働かなくてはならない農業には、魅力を感じていないようです。
汗水流して働かなくてはならない農業は、ほとんどが気候に大きく左右されるものです。また、日本で大量に消費されている、基幹的食糧が多いです。少量生産で希少なもののように、やり方によっては高利益が期待できる、というものではありません。それでも今日の日本では不可欠なものです。新規農業参入者は、そのような農業に魅力を感じることはあまりないようです。
ITを駆使して、効率良い生活にどっぷりと浸っている今日の日本人は、汗水流して働かなくてはならない農業に見向きもしていないです。国際情勢が大きく変われば輸入が全く無くなる可能性に気付いても、農業に向かい合おうとしません。日本にとって非常に大切なこととは分かっていても、自分が率先して向き合うことはしません。
『最大の悲劇は、悪人の圧政や残酷さで無く、善人の沈黙である』1968年に暗殺されたアメリカのキング牧師の言葉です。
食糧自給率が37%ということを知っていても、世界的に何か問題が起これば輸入が止まってしまう可能性があることを知っても、日本が生き続けるためには農業をもっと大切にしなくてはならないと分かっていても、何ら行動を起こさないで沈黙していることは、今日の日本の最大の悲劇なのです。もういい加減、日本が生き残るために、知恵を働かせて、声を上げ、行動を起こしても良いのではないでしょうか。

理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
(2021.01.)http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

昨年は、IMそろばんのオリンピック日本大会、ハワイ大会、小学生大会等新型コロナウィルスの感染防止の観点から中止にした。子供達も期待をしていた大会は中止になりましたが先生方が参加する行事については、オンラインにより、監査会・総会・研修会はZOOMを利用して実施してまいりました。
今年度も新型コロナウィルスの感染が治まっていない現状では行事実施をも再考しなければならないかもしれません。
IMそろばんでは、講習会についてはオンラインによる実施が出来るように各委員が準備を進めてまいりますので、是非参加をお願いします。
最後に皆様のご健康とご多幸をお祈り申しあげます。

副理事長 平塚 恒夫

ハワイからの便り

日本でそろばんをガンバっている皆さんへ

A Happy New Year! (ア ハッピー ニュー イヤー)
新年明けましておめでとうございます。
ハワイ語では、Hau’oli Makahiki Hou!(ハウオリ マカヒキ ホウ)と言います。
日本の皆さんはどのような新年を迎(むか)えられましたか。初日の出は、見られましたか。私が住むオアフ島は残念(ざんねん)ながらお天気が悪(わる)く、雲がかかって初日の出を拝(おが)むことはできませんでした。
ハワイの年越(としこ)しは、夜11時30分頃から、町中の至(いた)る所で花火が打ち上げられます。例年(れいねん)は、新年を祝(いわ)う公(おおやけ)の花火が深夜(しんや)12時前後にアラモアナパークや、ワイキキビーチ、パールハーバー、カイルアタウン、などなどいろいろなところで打ち上げられ、12時にピークを迎えます。しかし今年はコロナ禍(か)のため、すべて中止(ちゅうし)となりました。
ハワイも日本と同じく個人(こじん)で花火を買って打ち上げることができますが、事前(じぜん)に警察署(けいさつしょ)で「許可証(きょかしょう)、permit(パーミット)」をもらい、それを持って花火を買いに行きます。この許可証がないと花火は買えません。
ハワイには日本の神社やお寺があります。出雲大社(いずもたいしゃ)や石鎚(いしづち)神社、太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)、本願寺(ほんがんじ)、天理教(てんりきょう)などがあり、多くの人が「初詣(はつもうで)」に出かけます。しかし今年の初詣は、コロナ禍のために密を避(さ)け10分ごと、一組5人までの「予約制」となったところもありました。
ハワイは1月4日(月)からほとんどの学校が始まります(ハワイ大学は11日です)。そろばんスクールも5日(火)から始まります。このコロナ禍の中でも、子どもたちからどんな楽しい冬休みの話が聞けるか楽しみにしています。
2021年、新しい年が始まりました。今年は、去年(きょねん)より少しでも良い年となることを期待(きたい)しましょう。まずは、コロナはもちろん、インフルエンザやかぜにかからないように「手洗い」「うがい」「マスク」を守り、一人ひとりが元気でいることを心がけましょう。今年もよろしくお願いします。

ARAKI HIROYA SOROBAN SCHOOL
PRINCIPAL 大嶋 秀明

事務局だより

【 I.M.セミナー延期のご案内 】

1月12日(火)に予定しておりました、Step20検定問題、模擬問題の見直し
検討会は都合により延期となりました。参加費無料。未定ではありますが、次回
参加して下さる方はお住まいの県名、お名前、教場名と、オンラインセミナー受
講希望と入れて、I.M.そろばんへメールを送信してください。その後、ZOOMのID
とパスワードをお伝えいたします。 〈 E-mail im@imsoroban.com 〉

訃報

この度、長年I.M.そろばんセミナーとの交流ありました杉山みち子先生 がお亡くなりになりました。ここに会員の皆様へ謹んでご報告申し上げます。

当初N.P.O法人としてI.M.そろばんを立ち上げたその時、小学校教諭でおられる杉山みち子先生へ、副理事長 荒木碩哉が「当会の会員の先生方へ算数教育をご指導賜りたい」と、教育目標を申し上げ、そろばん教育をご理解いただくため、心を込めて先生へお願いに上がった折の言葉が強く思い出されます。
それが「我々の、保護者への教育目標に『We can only do Soroban.』ではなく「We can aolso do Soroban =そろばんしかできない子共の育成ではなく、我々のそろばん指導法でそろばんも出来る子供の育成を…」と、その言葉は杉山先生に深く響いて、我々会員は、立ち上げから初期の研修会を素晴らしい小学校の先生に手ほどきをいただくことが出来たのであります。
杉山みち子先生によるご指導は今もなお、大切なI.Mの根幹として生き続けております。
ご指導をありがとうございました。ごゆっくりとお休みください。

コメントを残す

(*) Required, Your email will not be published