レポート179号 2020年9月

●巻頭言
続 塵も積もれば

あらゆる生物(動物植物)が共通して持っている、生きていく目的の第一は、自分たちの“種”を残し続けていくことです。そのために、すべての生物は、涙ぐましい努力をしています。人類も同じです。“人類が存続し続けること”を最優先の生きる目的と考えて、本稿を進めていきます。
資源は、地球の大循環に乗るように使わなければならないと、幾度となく申し上げました。大循環に乗せるように資源を使えば、まわりまわって、いずれまた使える資源に戻ってくれます。そうすれば、人間に必要な資源が枯渇することは無いのです。しかしそのような使い方は、手間がかかり、非常に面倒です。今日のような経済効率性を重んじる時代では不可能なことです。使いっぱなしが一番良いと考える時代なのです。ということは使った資源は、地球上から減っていくだけになります。
10%の経済成長を毎年続ければ、2年目の資源使用量は、1年目の1.1倍になります。その2年間に使った資源使用量は、1+1.1=2.1で、1年目の2.1倍になります。それだけ、資源はなくなるのです。10%の経済成長を始めてから2年目の資源使用量は、1.1×1.1=1.1²=1.21で、1年目の1.21倍になります。この3年間の資源使用量は、1+1.1+1.21=3.31で、今年の使用量の3.31倍になります。
10%の経済成長を始めてから5年間の資源使用量は、初年度を含めて1+1.1+1.1²+1.1³+1.1⁴+1.1⁵=1+1.1+1.21+1.331+1.4641+1.61051=7.71516 になります。これだけの資源が地球上から無くなったことになります。これくらいであれば科学の力もあるから、それほど問題で無いと思われるかもしれません。
しかし、10%の経済成長率が50年続きますと、その間に使い切った資源量の総合計は、1+1.1+1.1²+1.1³+1.1⁴+1.1⁵+………+1.1⁵⁰で求められます。それは、初めの1年に使った資源のおよそ1,281.30倍になります。成長しなければ50倍で済んだところが、10%の経済成長を続けると、およそ1200倍以上の資源を使うことになるのです。
100年の間、10%の経済成長を続けると、その間に使う資源の量は、1+1.1+1.1²+1.1³+1.1⁴+1.1⁵+………+1.1¹⁰⁰で求められます。それは、初めの1年間に使った資源量の約1.51577×10⁵ 倍になります。およそ15万倍以上ということになります。
それが、500年間になりますと、その間の資源消費量は1+1.1+1.1²+1.1³+1.1⁴+1.1⁵+………+1.1⁵⁰⁰で求められます。10%の経済成長を500年間続けると、その間の資源消費量は、初年度の資源消費量の約5.46682×10²¹倍になります。およそ54垓倍以上ということになります。(兆の1万倍が京で、垓は京の1万倍の単位になります。)日常生活では、まずお目にかからない、天文学的数字といえます。まさに“塵も積もれば”です。
10%の経済成長率は、今では考えられないです。4%位であれば考えられそうです。4%の経済成長率が50年間続けば、その間の資源消費量は、1+1.04+1.04²+1.04³+………+1.04⁵⁰で求められます。その50年の間に消費される資源量は初年度の159.774倍になります。4%の経済成長率が500年間続けば、その間の資源消費量は1+1.04+1.04²+1.04³+…………+1.04⁵⁰⁰で求められます。それは、初年度の約8.54364×10⁹倍になります。およそ85億倍になるのです。それだけ資源が無くなるのです。
経済成長率1%であったとしても、500年間続けば、その間の資源消費量は、1+1.01+1.01²+1.01³+1.01⁴+1.01⁵+………+1.01⁵⁰⁰で求められます。それは、初年度の約14,522.1倍になります。経済成長をしなければ、500倍の資源消費量で済むところが、初年度の資源消費量のおよそ14500倍が必要になるのです。それだけ地球上から資源が無くなるのです。
1%の経済成長率であれば、多分、生活が豊かになったという実感はわかないでしょう。それでも経済成長を全くしなければ、500年間で500倍の資源消費量で済むところが、およそ14500倍になるのです。それだけ地球上から資源が無くなるのです。“塵も積もれば”なのです。この数値を見ても、より豊かな生活を求め続け、経済成長をし続けることを当然と思い、続けられますか。
資源を無駄なく効率よく使えば、これほど資源を使わなくても良いのではないか、という考えもあるでしょう。資源の使用量をいくらかは減らすことが出来るかもしれませんが、エネルギー保存の法則が、厳としてあります。
使った資源の総量とその結果出てきたもろもろのものの総量は同じであるという法則です。出てきたものには、人間にとって役に立つものもありますし、そうでないものもあります。大気汚染は役立たないものの一つですし、騒音や不必要な廃熱や廃棄物などもあります。それらは総称してエントロピーといわれるものです。エントロピーは、人間に役立たないだけではなく、人間にとって害になるものも多くあります。
人間がより楽になり、効率良くなるということは、必ず何らかの資源が追加投入されなければなりません。人間が楽になるためですから、人間という資源が追加投入されることは無いです。人間以外の地球上の何らかの資源が追加投入されたということになります。人間が楽になるための追加投入ですから、その結果、必ず出てくる人間にとって役に立たないエントロピーが、地球の大循環に乗せられることは考えられないです。
人間にとって効率良いということは、地球にとっては効率良いということではなく、地球に一層負荷を与えたことになります。その結果、資源はより多く使われますし、エントロピーはますます増え続きます。この事実から目をそらせている限り、地球環境問題は解決しないです。
再生可能エネルギーを使えばよいではないか、という意見もあります。発電時にCO2は出ないかもしれません。しかし、発電設備を全て循環可能資源で作るということは不可能です。つまり、再生可能エネルギー発電の設備を作るには、化石燃料起源の資源を使わなければなりません。また、発電場所と電気の消費場所が離れていますから、送電するための膨大な設備も必要です。これらの施設も化石燃料由来のものが殆どです。設備は老朽化しますから、作り直し続けなければなりません。化石燃料が枯渇状態になった時、再生可能エネルギー発電もできなくなるのです。
より快適な生活を追い求め続ける限り、資源枯渇は避けられないのです。同時に、エントロピーも増加し続けるのです。経済成長率が高いほど、エントロピーは多くなるといえます。資源と同じで、共通の単位がありませんし、何らかの共通の価格をつけることもできません。しかし経済成長率が高いほどエントロピーの増え方が大きくなるということは、趨勢的にいえます。資源の使用量と同じように考えますと、毎年10%の経済成長率が500年続きますと、その500年の間に地球上に増えて残ったエントロピーは、初年度の約5.46682×10²¹倍になります。
資源の使い方を地球の大循環に乗せないで10%の経済成長率を500年間続けると、初年度のおよそ54垓倍の人間に役に立たない、色々な形の廃棄物などのエントロピーが地球上に残っていることになります。エントロピーは人間に役に立たないどころか、重大な害を及ぼすことが、大いにあり得ます。
資源の使用量の時と同様に、続ける経済成長率を4%にすると、500年間に地球上に増加して残るエントロピーは約8.54364×10⁹倍になります。初年度より85億倍の廃棄物等が地球上に残っていることになります。これでも恐ろしい数値です。
資源の使用量の時と同様に、続ける経済成長率を1%にすると、たった500年の間に地球上に増加して残るエントロピーは、およそ14500倍になります。より豊かな生活という実感が無い1%の経済成長を500年間続けるだけで、500年目に残るエントロピー(老廃物・廃棄物等)の総和は初年度の14500倍になるのです。これが、私たちが、より楽な、より効率の良い、より豊かな生活を追い求めた結果なのです。
この事実を知っても、より豊かな生活を追い求め続けることは、厚顔無恥といえるのではないでしょうか。人類が生き続けるために、今こそ知恵を働かせる時ではないでしょうか。

理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco
(2020.9.)

ヒロヤの独り言

2020年9月1日(火)、現在過ごさせていただいている施設は、私の体調を気持ちよく整えてくれつつあります。ここまで「ホ~ットして、優しいゆったりした呼吸が出来る事」は久方振りです。
今更ですが、・・・会員の皆様・関係者の皆様へご迷惑をおかけいたしました件、その後を報告いたします。

例の年末講演会は、ハワイより「大島 秀明」を日本へ招いて彼の「ハワイでのそろばんとは!」、日本とハワイだけのそろばんでは無く、珠算が多方面の国でいかに充実したそろばんを指導しているか、その海外のそろばんの効用を海外指導の先駆者として“ハワイのそろばん”と称し、年末の講演を開催。アメリカ本土に於いても、身を慎んで再出発!!と心得る・・・手筈でありましたが、私の不注意がその足(目標)を止める羽目となり申し訳なく、今後の方針を新たにしなければ・・・と、思いを改める中に、私にとって世界的社会問題、「コロナ」により、良い休養期間をいただいたと、社会問題を逆手に取って覚悟を余儀なくする心境となりました。
さて、ここで急がないとI.M.事務局が戸惑います。
この度の人事でありますが、正月以来、寝込んで居る間、理事のみなさんによる担当の変更があったとお聞きしました。理事長を始め会員の皆様が力を合わせて良い授業・良いI.M.そろばん検定試験を執り行えますよう、会員の協力・団結を望みます。
一口に勝手を申すようでありますが、検定試験に於いて、世界にこれ以上内容の濃い珠算検定試験はありません。Step20まで迷うことなくI.M.の監修者を信じて検定試験を受験していただきたい。その検定試験故、学生の望む学力に見合う結果が取得できると信じて生徒指導に邁進されることを望みます。

荒木 碩哉
2020.9.1

ハワイからの便り

日本でそろばんを頑張っているみなさん

こんにちは。元気にしていますか。元気にそろばんを習っていますか。私はアメリカ合衆国(がっしゅうこく)のハワイ州、ホノルル市でそろばんを教えている「大嶋秀明(オオシマ ヒデアキ)」です。みなさんの中で8月に行われる「グローバルそろばんオリンピック」に出られたことがあれば、お会いしているので、私のことを知っている方もいると思います。
今年は、新型コロナウイルスの世界的大流行(せかいてきだいりゅうこう)の影響(えいきょう)で8月に予定(よてい)されていた「グローバルそろばんオリンピックハワイ大会」は取りやめとなってしまいました。3月の日本大会も中止(ちゅうし)になったと聞きました。ハワイの生徒は、日本のみなさんといっしょにそろばんができると楽しみにしていたので、とても残念(ざんねん)に思っています。でもこればかりはどうしようもありません。日本のみなさんもハワイの生徒も「我慢(がまん)」しなければならないときですね。
ハワイは、3月16日から知事(ちじ)の命令(めいれい)で全(すべ)ての学校がお休み(休校)となりました。夏休みが終わり、5ヶ月の休校のあとようやく8月20日ごろから新学年が始まりました(アメリカでは、9月に新学年が始まる州もあります)。すべての学校でコンピューターによる「オンライン授業(じゅぎょう)」が始まりました。生徒は家でコンピューターの画面を通して先生から授業(じゅぎょう)を受けることになっています。
日本では夏休みを短くして、すでに2学期を始めた学校もあるそうですね。そして日本は、今とても暑い毎日が続いているとニュースで見ました。コロナ感染はもちろん、熱中症(ねっちゅうしょう)にも気をつけて毎日を過(す)ごしてください。
また次回、ハワイの様子をお話ししたいと思います。

アラキヒロヤそろばんスクール ハワイ校
大嶋 秀明

三者面談その意義

~保護者からの感想文~

『ミタマそろばんアカデミー』


先日、Step13の検定試験に1回で合格ができ、先生の言葉がとても嬉しく思いました。何度か1回で合格ってあったような・・ないような・・・。家での練習が実ったのだと思いました。成績表の先生の言葉がとても嬉しく思いました。
学校から帰った娘が今日、悔しいことがあったと話をしたのは、昔に、娘と同じ学年の子供がそろばんをしていて、「先生の出す問題に暗算ですぐ答えていた」という話を算数の先生からされたよ、との事でした。まだ、すぐ答えが出せない娘は悔しい思いをしたようです。なので、“すぐに答えを出せるくらい、そろばんを頑張りたい”と目標ができました。娘の性格からだとコミュニケーションや覚えることに時間がかかりそうですが、目標に向かって頑張っていきたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。


いつもご指導ありがとうございます。面談では予想していたことをご指導していただきました。学校では4月生まれということもあり、問題ないと言われていましたが、親からみて性格上課題だろうと思われる個所を指摘していただきました。先生には辛抱強くご指導いただいていると頭が下がる思いです。その中で、グラフ上での進度状況は平均的です。と説明を受け安心しました。本人はそろばんが好きになっていますが、やはり怠け心もあったりで、試験でやる気スイッチが入るようです。日々興味を持って練習・復習が出来るようにしていかなくてはと、段々難しくなるそろばんを見て、気を引き締める思いでした。面談中、親子共々振り返ることができて良かったです。ありがとうございました。


幼稚園の頃から数字に関することに興味があり(電車のスピード、長さ、魚の生息水深…等)、小学生になったら習い事でしっかり数を学ぼうと始めたのがそろばんでした。恥ずかしながら両親ともに学校の授業で習ったことしか知識はなく、つまづいた時に教えてあげられないなぁ…と心配でしたが今では逆に子供に教えて貰って“おさらい”をしている状況です。大きな数の計算を学ぶと同時に「物事に落ち着いて取り組むこと」をしっかり身に着けていけたら良いなと思います。毎週のそろばんの時間は大好きな時間のようですので、このまま楽しく、時に厳しくご指導戴けたらと思います。


<面談の意義>とは

  • 保護者、先生、生徒の三人が理想的である。机は三者が三角形になるようにし、保護者と生徒の顔・目が見えるようにする。年に数回行うのが望ましい。
  • 目的をはっきりとして、教室の方針を伝える。
  • 親子でそろばんを習う目的は何かを知ることができる。
  • 珠算指導(カリキュラム)を話す。
  • 子供の基本的な理解には時間がかかる。長く続けていかないといけないことを話す。
    5の合成分解、10の合成分解、親が理解しているか(そろばんを習った経験があるか)
    5+5=10   5+6=(5-4)+10 ⇒ 5+1-5+10=運指の答えは、11 となる。
    指の作業としては、5+(5-4)+10=11 となるのである。5の合成分解を理解させ、その延長に繰上がる思考をさせる。この単純でありながら、但し複雑な思考を理解するのがそろばんの教授法であろう。珠算の指導者醍醐味とも考えられる。この思考について保護者の理解を得ることが珠算を理解していただく意味で大切なのである。

2020.9.7. 副理事長 荒木 碩哉

事務局だより

■I.M.セミナー開催のご案内

◆Step20・Step19検定試験問題、模擬問題の見直し(ZOOMオンラインにて)

日  時:9月15日(火)10時~12時
参 加 費:無 料
参加方法:お住まいの県名、お名前、教場名と、9月15日オンラインセミナー
受講希望と入れて、I.M.そろばんへメールを送信してください。
(im@imsoroban.com) その後、ZOOMのIDとパスワードをお伝えいたします。

■8月16日(日) I.M.セミナーのご報告

◆『Step20検定試験問題、模擬問題の見直しについて』

Step20の文章問題は、相当算、旅人算、還元算、消去算、通過算、過不足算で構成されている。しかしStep20の模擬問題には全てが揃っているわけではない状態であることがわかった。既存の模擬問題、検定試験問題等の中からそれぞれの問題とパターンを抜き出し、適切に構成していく作業を進める。

【過不足算の例】

パターン①:1個A円の〇を△個買おうと、ちょうどのお金を持っていきましたが、1個B円の□を同じ数だけ買ったので、¥—-あまりました。お金をいくら持っていきましたか?
パターン②:
〇を生徒1人に△本ずつ配ると、▲本あまり、□本ずつ配ると■本不足します。生徒は何人いますか?
パターン③:
1個A円の〇を△個買う予定で、お金をちょうど持っていきましたが、1個B円だったので、予定より□個多く買えて、お金が¥—-あまりました。元々何個〇を買うつもりだったでしょうか?
パターン④:
〇を生徒1人に△本ずつ配ると、▲本あまります。□本ずつ配ると何ももらっていない生徒が◆人いました。生徒は何人いますか?

■募集します

会員・関係者様からの原稿を募集いたします。

  1. 教室紹介
  2. 今だから始めたこと

I.M.事務局im@imsoroban.com まで、ご投稿宜しくお願い致します。

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