●巻頭言
塵も積もれば
コロナウイルス感染症のせいで、経済活動が低迷しました。その結果、世界中の多くの大都市で、何十年ぶりかで、きれいな青空が戻りました。今日の経済活動が地球環境悪化の元凶であることを、如実に表したことになります。
この状態が続くわけではありません。人々は、きれいな青空より経済の早急な活性化を当然のことと考え、大きく期待しています。2020.6.12.に発表された今年度の日本の環境白書では“気候危機”という言葉が出てきたにもかかわらず、より豊かな生活を引き続き享受することを当然と思っています。
生きていくためには、必ず何らかの経済活動をします。経済活動をするためには、必ず資源を使わなくてはなりません。資源は、使った時、すべてが役立っているわけではないです。同時に、必ず人間にとって役に立たないものが発生します。これはエントロピーといわれるものです。エントロピーは増え続きます。エントロピー増大の法則といわれるものです。
人間に役立たなかったものは、地球の大循環に乗せれば、また、何らかの資源に生まれ変わります。地球の大循環に乗せるような使い方をしないと、そのまま、人間に役立たない状態で地球上に残ります。使った資源から出てくる役に立たないものを地球の大循環に乗せることは、非常に面倒です。経済効率性から無視されることが多くなります。そして役に立たない状態で地球上に残ります。これが地球環境破壊の元凶なのです。大気汚染はその一例です。
資源を使わなければ、人間に役立たないものは残らないですから、大気が何十年ぶりかで、きれいな青空になったのです。人間が経済活動をするときに、必ず何らかの資源を使っていることの表れなのです。科学がいくら進歩しても、資源を使わないと豊かな日常生活は維持できないのです。この事実を無視してはいけないということの表れなのです。
今年は、経済成長が極端に低くなるようです。場合によってはマイナス成長になるかもしれません。そうなると、今年の資源の使用量は昨年より少なくなると考えられます。経済成長と資源使用量とは、連動しています。経済成長がプラスである限り、その年の資源使用量は昨年より多くなります。
経済成長率10%の時は、経済成長率5%の時より、より多くの資源を使っていることになります。資源量を表す単位が統一されていないことと、資源の価格は人間が勝手に付けたものですから、正確に数値でもって比較することは叶いません。しかし、経済成長率10%の時の方が、5%の時より多くの資源を使ったということは、趨勢的にはいえると考えられます。
人間の欲望は限りがないです。今日の生活が十分に豊かであると思ったとしても、決して満足しないです。禅の教えのように、“吾 唯 足るを 知る”とはいかないです。経済活動が非常に落ち込んだ今年の生活で、「生きていくのであれば、これでも十分ではないか」といった気持ちには、なかなかならないです。願わくば、来年は10%くらいの経済成長率を期待したいと願っています。
10%の経済成長率であれば、使う資源の量は今年より10%増えると考えなければならないです。正確に10%増ではないかもしれませんが、趨勢的にはそうなると考えられます。さらに、できれば再来年の経済成長率も10%であって欲しいです。そうすると、再来年の資源消費量は、来年の資源消費量より10%多くなります。それは、今年の資源消費量より21%増になります。1.1×1.1=1.21だからです。
10%の経済成長をし始めてから3年目の経済成長率も10%だったとしますと、1.1×1.1×1.1=1.331になります。つまり、3年目の資源消費量は今年の33.1%増になります。10%の経済成長をし始めてから4年目の経済成長率も10%になったとしますと、1.1×1.1×1.1×1.1=1.4641になります。つまり、今年の資源消費量の46.41%増になります。5年目も10%の経済成長率ですと、1.1×1.1×1.1×1.1×1.1=1.61051になります。これは1.1⁵=1.61051ということになります。つまり、ことしの資源消費量の61.051%増ということになります。
毎年10%の経済成長率が続けば、10年目の資源消費量は1.1¹⁰ =2.59374になります。つまり、今年の2.59374倍になります。毎年10%の経済成長率が続けば、20年目の資源消費量は1.1²⁰ =6.72750になります。今年の6.72750倍になります。毎年10%の経済成長率が続けば、50年目の資源消費量は1.1⁵⁰ =117.391になります。つまり、今年の117.391倍の資源が必要であるということになります。
10%の経済成長率を続けたいと願えば、50年目には、今年使った資源量の117倍強もの資源が必要であるのです。これだけの使える資源が地球上で手に入るのでしょうか。深海まで掘り進めばこれくらいの資源はあるのではないか、と考えている人がいるかもしれません。しかし、同様に10%の経済成長を500年間続けると、1.1⁵⁰⁰=4.96983×10²⁰の資源が必要であることになります。今年使った資源のおよそ5垓(ガイ)倍弱の資源が必要だということになります。兆の1万倍が京で、垓はその1万倍の単位になります。
500年は長いと思われる方は多いでしょう。しかし、人類の歴史、数十万年に比べれば、ほんの僅かな期間なのです。たったそれだけの期間で、5垓倍の資源が必要なのです。
高度経済成長の時代ならまだしも、さすがに10%の経済成長を続けることは、実際問題無理でしょう。では、今日最も期待されている現実的な経済成長率であればどうでしょうか。先ほど同じように、必要な資源量を計算しますと、4%の経済成長を50年間続けますと、50年目に必要な資源量は1.04⁵⁰ =7.10668になります。50年目に必要な資源量は今年使った資源量のおよそ7倍強ということになります。これくらいなら何とかなるのではなかろうかと考えておられる方が多いと思います。
これを500年と考えると、1.04⁵⁰⁰=3.28602×10⁸になります。およそ3億倍の資源が必要ということになります。たった4%の経済成長率を、僅か500年続けるだけなのに、今年の資源消費量の3億倍強の資源が必要になるのです。
経済成長率1%で同じように考えますと、500年で1.01⁵⁰⁰=144.773になります。僅か1%の経済成長率を500年間続けるだけで、500年目に必要な資源量は、今年の144倍強必要なのです。1%ぐらいでは、経済成長したという実感すらありません。それでも、500年目には、144倍強もの資源が必要なのです。まさに、“塵も積もれば”なのです。
地球は、いくら広いといっても、広がりは有限です。未開発の深海などの資源が、まだあると考えている人もいます。しかし、今まで手に入れていなかった資源を人間が使い始めると、それまで、それなりに安定していた深海の生態系が大きく壊されることになります。そのようなことをする権利が、人間にあると、どうして考えることが出来るのでしょうか。地球は人類だけのものではないのです。
月や火星に行って資源を手に入れてくるという計画もあります。そのためには、地球上の資源が大量に必要になります。使った地球上の資源以上の資源を、他の天体から持ってくることが容易にできると考えているのでしょうか。そこまでして、今日の快適な生活を、より快適にし続けたいのでしょうか。
使い続ける資源はもう無いのです。早くそれに気づくことが、今、必要なのです。今こそ、知恵が必要なわけなのです。
理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco
(2020.7.)
Step3・Step7の考察
時 間:10:00~12:00 (オンライン会議)
参加者:喜多・平塚・菅・関根
■Step3.Step7について、全珠連検定と難易度比較
- 1桁での学習と2桁での学習の違い
- 難易度の違い
- 学習内容の出題数の比較など
■テキストでの取り組み方・テキストの使い勝手
- 当初(何年前に改定になったのかわからないが…)20級から始まっていた際は19級を18級で10の合成分解だった。
- テキストを使用している感想としては
- Step3での内容が多くなった感がある。
- Step7が難しく感じるようで、Step7は受からず、Step9に進んで合格できる子がいる。
- Step12のテキストでは、3桁かける1桁の問題となっている。指導上、問題はないとのこと。
※その理由として:テキストの内容にあるのでは…。
テキスト三分の二ほどがStep3の内容になっていて、Step7の内容は後半にあるため、練習不足が考えられる。
■改善点
- Step3を、以前のように2つに分けてもいいのでは…。
- Step7には、Step7の内容を学習できるようにテキストの見直しを提案。
- Step12は指導上、問題はないとの考えを伺ったが、生徒にとって初めてかけ算の練習をする際、Step12の内容(検定試験に準じた指導内容)に変更することが望ましいの
では…。
発展の考えとして、3桁かける1桁の考えを指導するのはやぶさかではないが、Step12
のテキストの内容を模擬問題に準じた2桁かける1桁に変更を提案。
まとめ
残念ながら現在、I.Mのテキスト利用数が少ない。
テキストは当初のものから、何度か変更(修正)の為、そのステップでの学習内容が、異なってきた。今後も話し合いを続け、会員に幅広く利用してもらうためにもテキストの改良を検討し、検定試験がある以上それに準じたものであることが望ましいと考える。
『事務局より』
以上の内容について、I.M.会員、関係者様のご意見をいただけると幸いです。
「 im@imsoroban.com 」までお待ち申し上げます。
今後のオンライン会議でも話し合っていきます。
今をどう生きる
茨城県 北原 美智子
今、世界各地で警戒しているコロナは、2019年(令和元年)12月頃から、新型コロナウイルス感染症と名付けられて、発生が報告されていたそうです。
私は、2020年2月20日頃パソコン講座の先生より市からの要請で、3月以降の講座は中止にするようにとの連絡があり、この頃の感染症は軽いものと思っていました。それ以来、世界各地で感染が拡大し、とんでもない事態になってきました。稽古も自粛し、休みとしました。
東日本大震災2011年3.11より何故か、毎稽古日、机・椅子の消毒と、外出時はマスクをかけるようになりました。それは、市より放射線量小型計測器を借り、教室2か所の空間線量を測定し、県の発表と比較しましたら、風向きによって高い場所がありました。それから自己責任という考えで、ズーっとマスクをかけています。持病のせいもあると思いますが、習慣になっていました。
また、マスクのお蔭で今年花粉症にならなかったと喜んでいる人がいました。これからは、感染の発生源にならないように努めることが重要だと感じています。新型コロナウイルスに感染すると、それから起こる、保健所からの消毒・風評被害等とても怖いです。
今の環境では、オンライン授業の体制は、在塾生には、すぐ取り入れられますが、新入生には、低学年でもあるからすぐ使えないと思い、また、人間関係の取り方など、今までとは違う方法を考え、感染対策のノウハウを取り入れ、受け入れの準備をしているところです。
千葉県 菅 幸子
5月、自粛中での教室では、朝9:30~二人ずつの授業、他オンライン授業などしていましたが、そんな中、“今を生きる”作文 ~生徒編~ を、「これまで誰も経験したことのない今の自分の気持ちを書いてみて。」と書かせてみました。(5月20日頃)
★コロナくん、きみがマスクをしてくれ。おいしゃさんがたいへんなおもいをしてるから。がいしゅつきんしれいがおわったときに、がっこうにこないでね。コロナくんがテレビにでてる人とか、じょゆうさんがコロナにかかってしんじゃった人がいるから、こんどは、コロナががいしゅつとかしないでくれ。(2年生)
★ぼくは4年生の生活を送れていない、ざんねんな生活を送っています。平日でも、いつもはいないお父さんがいて、アレルギーによるせきをコロナだと思って、とまどったりなどという不あんていな日々を送っています。早く学校の友達に会いたいです!(4年生)
★コロナウイルスが流行したことで、価値観は変化するものであると改めて思った。このウイルスの感染者数で、前までは30人ほどいくだけでおどろいていたが、今はそれがうれしいように感じるようになった。言葉は生きているというように価値観も生きているのかなと、この出来事から思った。
今回の出来事で休校に子どもはなった。このウイルスから守るという面では、けん命な判断だったかなと思う。しかし、その一方で連日休業要せいを無視して営業している人、パチンコ屋とそこに行く客がいるということが報道されている。僕はこのニュースを見るたびに、こういう大人は勝手すぎると思う。こういう時だからこそ、日本、いや世界で一つになるべきだと僕は思う。(中学2年生)
★ぼくは、3月から今げんざいまで休校になっている。ぼくは学校が休みになって、うれしい半分さびしい気持ち半分だった。
やく100年前の新がたインフルエンザウイルスは、しゅうそくに2ねんかかったと聞いた。ぼくは、このままこのウイルスが、はやりつづけたら本当に地球がめつぼうしてしまうのではと思った。でも、そこでがんばってくれてるのは、医りょうだ。このウイルスをころそうとがんばっている。ぼくも運動ぶ足は、少し気になっている。
ぼくは、このウイルスをきっかけに医しになりたいと思った。ぼくも、次このようなウイルスが流行したら、あきらめずにたたかえる強い人間になりたい。(4年生)
★手をあらおう。どうして手をあらうかと言うと、コロナウイルスにかかりたくないからです。コロナウイルスにかかりたくないなら手をあらいましょう。みんなでSTAYHOME!!!!!!!!!(2年生)
今をつらいと思っている子も休みが嬉しいと思ってる子も、それぞれで子どもたちなりに目に見えないものと戦っているんだな、と感じました。そしてそれが前向きであって欲しいです。
世界各国でロックダウンしていた5月頃、SNSで目にしたのは、インドでは大気汚染が急減してヒマラヤ山脈がくっきりと見えたり、中国では二酸化炭素の排出が減少していることが衛星で確認されたり、アルゼンチンには街中を動物たちの歩く姿や、ベネチア運河は底まで見える透明な水になり魚が戻って来た、など、人が動かないことで少し良いニュースも聞きました。また最近、第2波かと言われてきてしまいましたが、これが収束するときには、ただ元に戻るのではなく、自然と共にこれから地球で生きていく上で、今自分たちに出来ることをもっと意識して過ごしていけたらと思っています。
●事務局だより
N.P.O法人I.M.そろばん通常総会のご案内
梅雨の候、皆様におかれましては益々のご健勝のことと拝察申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止という観点から、7月5日(日)に行われたN.P.O法人I.M.そろばん通常総会は、オンラインでの開催となりました。出席者9名、委任状16名にて議案の可決とさせていただきました。ご理解ご協力を賜り、誠にありがとうございました。総会資料のご確認をお願い致します。
I.M.セミナー開催のご案内
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