レポート171号 2020年1月

●巻頭言
次世代のために 今やらなければならない

2020年(令和2年 [庚子かのえね])明けましておめでとうございます。今年は夏季オリンピックが東京で予定されています。明るい希望の多い年になることを期待したいです。
2019年の“今年の漢字”は『令』でした。新元号になったことで、「令」の字が選ばれたのでしょう。2位以下には「新」「和」「変」「災」が選ばれていました。2018年の漢字「災」が5位に入り「変」という字が4位に入るなど、嫌な思いの1年だったので、何とか新しい気持ちになりたいという願いが、新元号への思いになったのでしょう。本当に何とかなって欲しいです。
2019年台風19号は、955hpaという強力な勢力のまま、日本列島に上陸しました。先の2019年台風15号の960hpsを上回っていました。また、19号の大きさは15号の10倍ほどのものでした。甲信越、関東から東北地方にかけて、多くの都県に、大きな被害をもたらしました。死者は行方不明を合わせて80名以上になりました。続けて襲ってきた、局地的豪雨による被害も甚大でした。犠牲になられた方々に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。また被害に遭われた方々に、衷心よりお見舞いを申し上げます。
気象庁より、事前に、猛烈な強さで超大型の台風であるといわれていたにもかかわらず、このような大きな災害になったことは誠に残念なことです。今後、いろいろと検証しなければならないことが多いです。
根本的な原因として、日本列島の亜熱帯化があります。そのもとは、地球温暖化です。今回のような大災害に遭っても、地球温暖化を阻止するために、今日の快適な生活を止めようという動きは全くありません。
しかし、快適な生活を一人一人が享受した結果が、地球温暖化を招いたのですから、一人一人が快適な生活を止めるしか、方法がないのです。そのための第一歩を踏み出さないことには、地球温暖化は止まらないのです。
2019.10.23.にニューヨークで国連気候変動サミットが行われました。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、長期目標を表明しました。今年に本格始動するパリ協定の下で、対策を強化する方向性を明確にしました。
しかし、温室効果ガスを削減すると経済活動に大きなマイナスになるということで、アメリカは、パリ協定を決めた国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)からの脱退の方針を表明しました。温室効果ガス排出ゼロの長期目標の達成は、全く期待できないです。
2019年12月にスペインマドリードでCOP25 が開催されました。閉会日を2日間延期したにもかかわらず、いわゆる先進国を中心とした国々の、“今の自分たちさえ良ければよい”というエゴのせいで、2020年からの、具体的行動についての共同宣言は採択できませんでした。この一年間に地球温暖化のせいで、世界中で、最も大きな災害を受けた国に日本が選ばれたにもかかわらず、日本のとっている地球温暖化対策は世界中から失望されました。日本は2回目の不名誉な化石賞なるものも頂戴したほどです。
2019年10月に開催された、気候変動サミット開催の前、10月20日に、具体的な気候変動対策を求めたデモ「気候ストライキ」が世界各地で行われました。若者を中心に、世界中で、400万人以上が参加しました。日本での参加は5000人程度でした。
この国連気候変動サミットに向けてのデモは、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)の運動に共鳴して行われたものです。トゥンベリさんは、地球温暖化は私たちが招いたものであるから、私たちが防がなくてはならない。行動を起こさなくてはならないと考え、毎週一回、学校の授業を休んで地球温暖化を防ぐための行動を起こそうと、デモなどの活動を起こしたのです。
その活動に共鳴した世界中の若者が起こした行動が、10月20日のデモなのです。トゥンベリさんは、アメリカで行われる気候変動対策を求めた行動に参加するために、スウェーデンから飛行機ではなく、船でやってきました。飛行機より船の方が、はるかにCO2排出量が少ないからです。
国連は1959年に児童権利宣言を採択しています。そこでは“心身ともに未熟な子供が、健全な成育と幸福と社会的諸権利が保障されるべきこと”を確認しています。それにもかかわらず気候変動が止まらなければ、子どもたちの未来が奪われるのです。そのことに気付いて行動を起こさなければならないのに、何もしない今の社会に対する憤りを、トゥンベルさんは訴えていました。
国連気候変動行動サミットでは、温暖化ガスを減らす新たな取り組みや方針を表明しました。2050年までにCO2排出量の実質ゼロを掲げる国は77か国に増加しました。しかし、排出量の多い中国、米国、インド、ロシアや日本は含まれていません。いずれも、今の経済繁栄を発展させることに汲々としているのです。子供たちの未来を守る行動を起こそうとはしていないのです。お金儲けを第一と考え、今の自分たちさえ良ければよいのです。
国連は2019.10.22.に、世界の平均気温は観測史上最高になった、という報告書を公表しました。2015年~2019年の5年間の平均気温は、産業革命前の1850年~1900年に比べて1.1℃上昇しました。2011年~2015年に比べて0.2℃上昇したのです。僅か1.1℃と思うかもしれませんが、人間の体温が1.1℃上昇すると大きな体調不振に襲われることを考えれば、大変なことと気付くはずです。海水温が1℃上昇することにより、台風が超大型化し、強い勢力のままに日本列島を襲うことを体験したばかりです。
温暖化危機対策は、人類の未来のために私たちの義務である、と国連事務総長は言っています。このような危機状況なのに、日本でのデモ行進への参加者、わずか5000人だったのです。恥ずかしいではないでしょうか。
日本では、デモに参加する人は、よほどの過激な考えの人である、と思われているようです。極端に言えば、社会から強く突出した考えの人々と思われているようです。
もともと、民主主義制度というのは、誤った決定をする可能性を認めているものです。ですから、立法府は、念を入れて審議するために、国会を2院制にしていますし、権力が集中して誤りが起こらないようにするために、三権分立の制度になっているのです。選挙で選んだとしても、直接請求やリコールをすることが認められているのです。任期途中でも住民の意思によって解任することが出来るのです。
示威運動(demonstration)も民主主義制度の下で、国民に認められている権利なのです。選挙が済めば、後はお任せという制度ではないのです。選挙に当選さえすれば、あとは何をしても良いというのではないのです。
民主主義がしっかりと根づいている国では、常に示威運動が何万人規模のものでも、普通に、頻繁にみられるものです。民主主義が根付いていない独裁制の国であると、示威運動はすぐに弾圧されるのです。
日本においても、1960年代1970年代頃には、ごく普通の若者が、何十万人も示威運動に参加していました。その後、示威運動に参加するのは、非常に危険な考えを持っている人々に限る、という風潮に変わってしまったようです。示威運動に参加することは、民主主義国家の国民の普通の権利なのに、何故このようになったのでしょうか。
次世代の生きる権利が奪われていると気付いたのであれば、何故行動を起こさないのでしょうか。CO2削減は必要としても、経済競争の相手国がCO2削減に積極的でなければ、自国も削減協定に参加しないという政府に、何故抗議しないのでしょうか。次世代が生き残れるために、削減協定を積極的に実践したうえで、経済問題を話し合おうとしないのでしょうか。
今は間氷期だから、徐々に温暖化するのは当たり前だという主張もあります。しかし、たとえ間氷期であっても、たった150年で1℃以上も気温が上昇することは異常なことなのです。氷河期から間氷期に遷移する時には、通常1万年で4~7℃の上昇なのです。それでも、お気楽に「地球温暖化は間氷期のせいだ」といい続けるのでしょうか。この150年間に人類がCO2を排出し続けたせいで、地球温暖化が起こったのは、疑う余地のないことなのです。
人類は、地球温暖化対策を無視しても、科学技術の粋を集め、大量の資源を使うことで、防御策を実施し、当分の間は、生き続けることが可能かもしれません。しかし、人類のせいで起こった地球温暖化の結果、滅亡していく生物種には、責任を、全く感じないのでしょうか。
色々な知識を組み合わせれば、地球温暖化対策の実施は待ったなしであると気付くはずです。世界中の若者を中心とする多くの人々が、行動を起こそうとたち上がっているにもかかわらず、日本は、あまりにもお粗末です。マスコミも、この問題を大きく取り上げて、地球温暖化防止のキャンペーンをやるという気配もないです。報道の自由度世界ランキングが、いわゆる先進国中、最下位の67位(2018)の日本だという現れなのでしょう。
知識だけしかなく、与えられる情報をそのまま鵜呑みする、知恵の無い人間の行動の恐ろしさを実感できる現状です。自分の力だけで考えることのできる、知恵ある子どもを育てることの必要を、強く感じます。

理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco
(2020.1.)

●新年のご挨拶

関根 由季

2020年 明けましておめでとうございます。会員の先生方もお健
やかに新年を迎えられましたこと、心からお喜び申し上げます。
昨年のテレビドラマで「同期のサクラ」をご覧になった方もおら
れるかと思いますが、その主人公「サクラ」の言葉を真似て、今年
の抱負・私の夢を書かせて頂きます。

★私には夢があります。
毎年、しっかり目標を持ち、努力できる子、
考えることのできる子に成長してほしいことです。

★私には夢があります。
そろばんで培われた計算力・集中力・忍耐力を活かして
生徒一人ひとりが、何事にも前向きになれることです。

世の中が目まぐるしい勢いで便利になっていきますが、人間が考
えたり努力したりすることをおろそかにせず、そろばんを通じて、
生徒達と成長していきたいと思っています。
IMの先生方からたくさんの刺激をいただきながら精進して参り
ます。今年もご指導いただきますよう宜しくお願いいたします。

年末セミナー 『感想文』

埼玉県 卜部智代子

 日本のそろばん教育をハワイの地に開校し37年ご指導を続けられ、これからも長いそろばんの人生を捧げて行かれる事と思います。
本日は、I.Mそろばんの日本の普及に貢献する為に、ご講演頂きありがとうございました。大嶋先生、先輩を拝聴し刺激を受けましたので、今後の私の教室に生かして行きたいと思います。
本日は、ご家族で日本にお出下さりありがとうございました。
又、今年の夏にはハワイにて大変お世話になりました。楽しかったです。


埼玉県 関根 由季

 とても楽しみにしていました。大嶋先生のお話を聞かせて頂き有難うございました。
37年のご苦労から素敵な時間でした。
遠くハワイから、ご家族皆さまありがとうございます。


茨城県 平塚 絹子

 大嶋先生の37年の長い間、ハワイの地で子供さんと接し、色々な苦労も前向きな考えで乗り越えてこられた事に感動しました。ハワイも子供さんの塾掛けもち、日本と同じだな~と考えさせられました。これからもそろばんに対して大きく前向きに取り組んで行きたいと思います。
猪熊先生、名門高等学校の裏話や歴史などを聞き、改めて子供さんは雑草のようでなければいけないと思いました。


茨城県 北原美智子

 猪熊先生、名門校と歴史的考察、関わりあっているとのご説明ありがとうございました。
大嶋先生、ハワイ校37年の歩み、ご苦労と楽しく活動されておられるお姿がうかぶ様、お話いただきありがとうございました。
「そろばんもできる子を育てる」私の身の回りでは力を入れなければならない事です。令和2年の課題です。


茨城県 平塚 恒夫

 100校、再出版東・西2冊とも大変にすばらしくリニューアル出来ました。それを表現豊に話されて、とても楽しく聞くことが出来ました。
大嶋先生のハワイでの37年間苦労を苦労とも思わない様なこと、楽しく聞くことが出来ました。ハワイはアメリカの一州なので、日本との慣習の違いは、その話のなかでの苦労が思い出せました。
貴重なお話ありがとうございました。


茨城県 佐藤 信子

 ハワイの土地で日本のそろばん普及に努められた40年。荒木先生から伺ってきた事とはまた別の角度からの大嶋先生のお話は豊富で愉しかったです。(おつらい事も多々おありだったでしょう。)
次世代につながって永遠にグローバルそろばんが生き続けて行くよう、日本でも頑張りましょう。


長野県 田中みち子

充実した時間をすごさせて頂きました。
ありがとうございました。


長野県 田中 光雄

いろいろな話が聞けて良かった。


愛知県 黒川 譲二

37年間のハワイにおいての出来事(苦労話、ハワイでのイベント行事)等を聞かせていただき、大変参考になりました。


大阪府 日浦  陞

参加させて貰って良かった。
3才から授業時間45分、親の送迎、米国での生き方いい…


愛知県 尾澤 康弘

ハワイも日本も、共働きが多いようだ。日本では学習塾に通わせることが経済的に困難な子は見たことあった。ハワイでは、お金持ちが多いということが意外だった。ハワイでは、まだそろばんを習うことに対して、なかなかお金を出すことができるのは、お金持ちが大半のようだ。もし、ハワイでそろばんの良さが知られるようになると、もっともっと習いたい生徒は増えてくるであろう。ただ増えるだけでなく、二世、三世につながるような教育をしていってもらいたいものだ。
本当、良く先生をやっておられる大嶋先生に拍手。


千葉県 川島 君代

 37年の長い時間、ハワイでそろばんができる子供、そろばんの良さが分かる子を育ててこられ、ご苦労様です。地域に根付いた活動も素晴らしいです。
今後の益々のご活躍をご期待いたします。


千葉県 菅  幸子

この度は大嶋先生ファミリーに日本でお会いすることが出来て嬉しく思います。講演を引き受けてくださりありがとうございました。ハワイの状況が目に浮かぶかのようにたくさんのお話をして下さいました。夢のハワイ!は、現実的にはそうでないことも多々ある中で、そろばんの普及活動をされて、世界が平和であることを願って活動されていることはすばらしいと感じました。また、日本の子どもたちとハワイの子どもたちの交流も今後とも続けて行けたら幸いです。本日は、多くの先生方もお忙しい年末にお集まりくださりありがとうございました。2020年の皆様のご健康をお祈りいたします。


埼玉県 山本亜季子

大嶋先生、この度はお忙しいところハワイより家族総出で日本にお越しいただきありがとうございました。
ハワイへの出発日を前日に告げられてから37年間、ひもじい頃をも経て、現在に至るまでのそろばん人生をお話してくださりありがとうございました。沢山のお話の中、
「自分だけではない!みんなも忙しく大変!好きなそろばんをしていることが幸せ」
とても心に残る言葉となりました。
いつか、アラキヒロヤそろばんスクール・ハワイ校に行ってみたいです。また、ハワイ校の皆さんが、いつか日本に来ていただける日を楽しみにしております。
本日は本当にありがとうございました。


埼玉県 馬路ひなの

大嶋先生によるハワイでの教室のお話を聞くことができました。関根先生のもとでそろばんを始めて10年以上たち、今は、留学先のオーストラリアでそろばんに関わっています。現地のそろばん教室でアルバイトをする中で、大嶋先生のお話から学ぶ点がたくさんありました。外国でのそろばん指導いついて、新たな視点で考えることができました。ありがとうございました。


千葉県 喜多 吉子

ハワイには、ここ数年出かけられずにいまして、大嶋先生とお目にかかれることを楽しみにしていました。ご家族の皆様がお元気で何よりです。
この企画になった時、自分の年齢と共に仕事の仕方を考え、参加者になることを決めていました。その為、大嶋先生にはご連絡をすることもなく当日を迎えましたが、お元気で何よりという気持ちでした。さぞ、日本の担当者の先生方は大変だったことでしょう。
大嶋先生にとっても、是非、生徒を立派に育てられ、ご自分のお子さんは“そうあらねばならぬ”といったお気持ちもあって、やりがいと難儀さは一言では申せないことだったろうと、この年になると“老婆心”がピッタリの私になりました。
私がお目にかかった現地の生徒さんは、今では立派に社会人としてお仕事をなさっておいででしょう…
日本のそろばんをご紹介して、立派な生徒さんが大勢、社会人になったことはお聞きいたしておりました。おめでとうございます。この度の講演時間ではハワイで荒木先生がお求めの、日本とアメリカでのそろばんの指導法の工夫(I.M.soroban)まで到達できなかったのは、叉のチャンスへ期待させていただきたいと思いました。
ハワイと日本の時差の為、連絡も緻密な点で難しいものと拝察いたしますが、次回は是非ハワイでのI.M.そろばん指導法!をお願いします。

東京都 谷  賢治

 猪熊先生、大変楽しいお話でした。出身校を高校の切り口で分析した鋭い考察は教えられることが多かったです。お話の中で私の出身校の名前が出て嬉しい気持ちでした。後半の、歴史から見た県別のナンバースクールの話は圧巻でした。先生の幅広い知識には尊敬の念を深めました。
ご著書にサインして頂いて厚くお礼申し上げます。

●事務局だより

ハワイ校大嶋校長特別講演会のご報告

12月27日、北区北とぴあにて、アラキヒロヤそろばんスクールハワイ校大嶋校長に
37年の歴史を語っていただきました。
ハワイ校そろばんスクール卒業生の中には有名大学や有名企業に行かれた生徒さんがた
くさんいらっしゃいます。どんな教育法!?スパルタ練習??ではなく、当たり前のごく
普通のハワイでの暮らし、その中で一人一人と向き合って皆が世界平和を願い、そろばん
の普及活動をされている印象を受けました。
そして、ご家族そろって懇親会まで和やかに過ごす時間となりました。

夢のハワイ!グローバルそろばんオリンピックハワイ大会に向けて!
3月15日㈰ さいたま市民会館うらわ 10時開催
グローバルそろばんオリンピック in JAPAN
のご参加をお待ち申し上げます。

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