●巻頭言
豊かな生活を支えているもの
2019年(平成31年 己亥[つちのとい])明けましておめでとうございます。今年は、5月1日より新元号になるので、何か新しい、良いことが起こりそうな気がします。期待したいです。
昨年2018年の“今年の漢字”は『災』でした。多くの自然災害に見舞われたことが、強く印象に残った年だったようです。人の手による災いも、多かったようです。大学不正入試、財務省文書改ざんやパワハラ問題などです。とりわけ、虐待死の問題は、大きな災いとして、深い傷を残したのではないでしょうか。
それにしても、2018年も、本当に、多くの自然災害に見舞われました。線状降水帯、ゲリラ豪雨などによる水害、死者も出たいくつかの地震、そして台風の直撃等々、科学の力でも被害を防げなかったことが多かったです。亜熱帯化のせいでこうなったとしても、もう少し何とかならなかったかと思います。多くの被災地では、冬を迎えた今でも、未だに窮状が続いています。深甚よりお見舞い申し上げます。
防災のための科学技術の進歩と、その具現化に大いに期待したいです。また、多くの自然災害発生の予知の精度を高めることも、科学の力に期待したいです。科学の無限の発達を信じたいです。そのために、基礎研究も含めたその方面への投資の拡大を、強く望みたいです。
解明されていない地球の謎や不思議は、まだまだ非常に多くあります。科学が地球を克服できると思うのは、誠におこがましいです。人類が生き続けるために、今すぐの効果に期待しないで、最も基礎研究を深め、地球の謎に迫ってもらいたいです。
それでも、現在、私たちは、科学技術の恩恵を非常に多く受けています。今日、日々享受しているこの豊かで快適な生活は、科学技術の発展なしには考えられないです。科学技術の発展は止まることは無いです。永遠にこの発展は続いていくようです。今、突然にこれらの恩恵がすべて無くなるという生活は、絶対に考えられないです。しかし、科学技術の発展は永遠に続くものなのでしょうか。
物理学の根本原理に『エネルギー保存の法則』というのがあります。『外部からの影響を受けない物理系(孤立系)においては、その内部でどのような物理的あるいは化学的変化が起こっても、全体としてのエネルギーは不変である』(広辞苑)という法則です。少し分かりにくいですが、無からエネルギーは創造しえないということをいっているようです。当たり前のことです。しかし、このことを忘れがちなのではないでしょうか。
モノづくりをして、ある製品が出来ます。そのモノづくりを、できるだけ効率よく行うとします。今まで作るのに1時間かかったのを30分で出来るようになったとします。生産者が、手際良く出来るようになったということもあります。しかし、機械化をした結果の効率性の向上ということもあります。この場合、人間にとっては効率良く出来たと言えますが、製造過程全体としては、無から有はできないのですから、何か代わりのエネルギーを、より多く投入した結果であるということになります。
人間の労力を減らしたのですから、地球上で手に入る何らかの資源を、その生産の過程で投入したことになります。当たり前のことです。もし、投入した資源が有限なものであれば、いつか、その代替物を探さなくてはなりません。人間が楽をし続けるために、効率の良い生産を追い求める限り、資源を探し続けなくてはなりません。
使っている資源が無くなれば、科学の力で、必ず別の資源を見つけ出してくれると信じています。地球そのものは有限な広がりですが、資源を見出すことに関しては、地球は有限であると信じていないのです。ひょっとしたら有限かもしれないと思っても、自分の生きているうちは絶対に大丈夫だと思い込んでいます。
人間の生きる究極の目的は“人類が生き続けること”です。この目的を達成するためにいろいろな目標を考えます。その目標を達成させるために、いろいろな手段を考えます。その手段を使うことを当面の生きる目的にします。その目的を達成させるために、新たな目標を考えます。その目標を達成させるために、またいろいろな手段を考えます。また、その手段を使うことを当面の生きる目的にします。このように順次下位の目的が出来ていきます。
いくつかの下位の目的が、生きるための究極の目的である“人類が生き続けること”と相反するということが起こり得ます。この時は当然、究極の目的を無条件に最優先させるべきです。しかし、人間は往々にして、矛盾している下位の目的を、もっともらしく優先させることがあります。
人間は常に効率良い生活を続けなくてはならないというのは、非常に下位の目的です。しかし、今日では、人間であるから、当然、この下位の目的を優先させるべきと、何の疑いもなく信じています。
より効率よい生活の実現には科学の発展は不可欠ですが、そこでは必ず何らかの資源を使わなくてはならないです。使っている資源が枯渇すれば、当たり前のように他の資源を求めます。今まで使ってこなかった資源を使うには、通常、今まで使ってきた資源以上のエネルギーを使わなくては実用化しないです。簡単に実用化するのであれば、今までにとっくに利用していたはずだからです。
今まで以上の効率よい生活を追い求めば追い求めるほど、多くのエネルギーが必要となります。資源の枯渇の速度が速まる可能性が強くなります。それでも効率よい生活を追い求めることを止めようとしないです。
地球の広さが広大といっても、70億人の人類がどんどん資源を使えば、いずれ使える資源はなくなる可能性が出てきます。それでも、科学が何とかしてくれると信じているか、自分の生きている間は、そのようなことは起こらないと信じています。
日本列島だけで考えても科学の力で豊かで効率よい生活をしているからこそ、1億3千万人が生きていけるのです。効率よい生活を支えている資源が枯渇すれば、1億3千万人も生きていけないです。生き続けられないです。数世代先の日本人を、現代の日本人は殺戮することになるのです。それでも、効率良い生活を止めようとはしないのです。現代人は、最悪・最高の利己主義者ということになります。その自覚が無いということが、最大の問題でもあるのです。
科学の進歩は無限かもしれませんが、その実用化には必ず資源が必要であるということを、絶対に忘れてはならないのです。少し考えれば、今日の快適な生活は、科学だけのお蔭ではなく、資源のお蔭であると気付くことが、知恵ある人です。
“人類が生き続けること”の為には、未来を担ってくれる子供たちが、知恵ある人間に育ってくれることが不可欠です。知恵ある人間を育てることが、今の大人の、放棄してはならない責任なのです。与えられた知識をいくら吸収しても、知恵は育ちません。自分の力だけで考える力が育っていないと、知恵は育たないのです。そのために大いに貢献するのが“IMそろばん”なのです。年の初めに、このことに、改めて大いに自覚しようではありませんか。
理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco
(2019.1.)
●ヒロヤの独り言
皆さん明けましておめでとうございます。新年はいかがお過ごしでしょうか。
私は初めて、船橋市で新年を迎えることが出来ました。今まで、ハワイとか京都で新年を迎えておりましたが、初めて船橋で迎えました。
昨年の暮れに日産の代表ゴーン氏が日本の法律によって逮捕されました。解説を聞いていると、日産の代表ゴーン氏に脅かされたもののようです。
そこで我々会員の皆さんがすでにご承知の通り、日本を始め世界中の人々が、I.T化の発達により社会の機構が変わり始めました。
例えば、日本社会の例をとると、まず最初に、高齢化の人々が社会を牛耳っていました。しかし、今日はI.T化を理解する人が牛耳るようになりました。
例えば、礼節を取り上げると、若手が年長者に対して挨拶をすべきであったが今日ではその行為が皆無に等しい。かつては、年長者を中心に社会のルールが決まっていたが、今日ではそれも崩壊しつつある。そろばんの世界を観てみると、それが顕著に表れている。そろばんの若い先生方は年長者が苦労して作り上げた組織をいとも簡単につぶしてしまい、自分たちの都合の良い組織に変えている。
私たちは、珠算教育者であり職人者ではない。珠算教育者の集まりです。珠算教育とは、例えば、水素と酸素が化学反応を起こすと水ができると同じく、生徒に八十一通りの珠算式指導を施し、文章題を理解する教育をすることにより、今までの生徒は全く違った生徒として育成される。この実力が学校で習う多くの教科を理解させる上に大切な実力をつけるものである。この実力こそが学校教育や、社会で経験する知識教養を自分なりに理解する力になる。職人の指導方法はI.T化が進むことにより間もなく崩壊するように思われる。
我々珠算教育者は、I.T化とはどんなものか今一度、研鑽し、正しい理解の上で生徒達に接してもらいたい。
今一度申し上げると、知識教養が、生活する上にどれだけ大切なことであるかを理解させて下さい。
以上、新年のごあいさつに代えさせていただきます。
2019年1月 荒木 碩哉
●新年のご挨拶
埼玉県 関根 由季
新年あけましておめでとうございます。
平成最後の年ですね。私事ですが、昨年、還暦を迎えました。昭和の時代を30年、平成の時代を30年、次の時代も30年を目指して頑張ります。セミナー等で先生方にお会いできるのを楽しみにしております。
皆様、今年一年もどうぞご指導のほど、宜しくお願いいたします。
香川県 福田ハルミ
明けましておめでとうございます。
皆様方にとりまして、飛躍の年になりますようお祈り申し上げます。
本年も、どうぞよろしくお願いします。
昨年、香川県で研究集会が開催されました。その中で紹介された、菅 幸子先生の広告は、最高の表現がなされていると思いました。幼児の世界にそろばんを取り入れたという意識ではなく、さりげなく、モンテッソーリの導入部分にそろばんをうまくマッチさせた感覚に感動いたしました。広告、宣伝は、我々にとって大変重要な部分であります。今回、事務局が作っておられる広告に、どしどしご自分の希望をお出しし、ご自分の教室の宣伝をするのも、良いのではないかと思います。菅先生の広告には「通わせたい」と本気で思わせる楽しさがありました。
千葉県 両川 徹
あけましておめでとうございます。
旧年中は様々なご意見を賜り、勉強させていただきました。とはいえ、まだまだ未熟であることに変わりはありません。未熟ながらに、皆様のお役に立てることを全力で臨んでまいる所存です。
今年は、チラシのデザイン制作などお手伝いさせていただくつもりでいます。チラシデザインやBuySについてもぜひご意見の程お願い申し上げます!
●事務局だより
新年号となる年を良い年にと願い、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
事務局は毎年、そして毎月〝セミナーレポートの完成!!”という応援歌を歌いながら担当の背を押しながらの日々でした。事務局も各担当の先生の追い込みに励まされ、この年度も新春セミナーが早速スタートを切ります。
この度の新春セミナーは「小学生の文章問題の指導法」を満足させられる事間違いなし!!です。都合が…と思われる方もあと一歩を進めてご参加ください。
空席が1~2席あります。申し込みをお忘れではありませんか?ご連絡をお待ちしております。
さて、新年早々、「逼迫する会計について」荒木副理事長始め事務局・検定部・セミナーレポート発行担当の5人で意見交換会をさせていただきました。
- 毎月、手塩に掛けて発行するつもりのセミナーレポートが手離れて、会員の手元に届くにあたり『会員の何パーセントが目を通して下さっているであろう!調査の必要と配布の方法を切り替える必要がある』
- 又、I.M.の会員が「考えるそろばん検定試験を実行しないのは何故か?」の疑問・質問への回答について『事務局と会員との事情調査も必要』である。
- そして、教材について製作の方法を無駄な時間と費用を削く方法。
新春にあたり、各委員会より上記に応えるべく行動が起こり得ることを期待するものである。
I.M.そろばん 事務局
喜多 吉子