●巻頭言 ”地球温暖化に対する2つの選択肢”
~二酸化炭素排出、成り行き任せか大幅削減か~
またまた大上段に振りかぶった話で恐縮です。でも地球環境の問題は、今この時代を生きる生物が直面している最も大きな問題です。読み飛ばすつもりでお付き合いを願います。
砂漠化や海水面上昇、干ばつや豪富などさまざまな地球の環境問題のベースにあるのがご承知のとおり地球温暖化の問題です。その原因は、主として化石燃料の大量消費による二酸化炭素の大量排出です。地球の環境問題がはっきりと認識されて来た1980年代から、温室効果ガスとしての炭酸ガスの排出をどのように抑制して行くのかの議論が、国連やさまざまな国際会議で、途上国の先進国との利害むき出しでなされて来たのはそのような理由からです。
昨年9月から今年の4月にかけて、195ヵ国が加盟する政府間組織としての国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC= Intergovernmental Panel on Climate Change )が、地球温暖化の「科学的根拠」「影響や適応策」「温室効果ガスの削減策」をテーマにした3つの報告書を公表しました、世界中の科学者たちによる最新の研究成果は、人類に今のままの「成り行き任せ」で自らの生存の基盤を危うくするのか、温室効果ガス排出の大幅削減で気温の上昇を抑え生存の道を選ぶのかの、2つの選択肢をつきつけています。
今の排出傾向が続いた場合の「成り行きのシナリオ」では、世界の平均気温は今世紀末に最大4.8度上昇するとされています。現在でも既に、水資源や食糧生産、自然生態系など全ての大陸海洋で影響が現れていますが、4度以上の上昇となると、小麦・トウモロコシ等の穀物の減産がより顕著になり、世界的な食糧安全保障に大きな影響を与えることになります。影響は連鎖して、武力衝突や紛争の危険性が高まるとも警告しています。また、気温の上昇速度が速すぎるため、歩みの速い生き物は緯度や標高が高い場所に移動して気温の変化に適応できるが、多くの生き物は温暖化のスピードについて行けず逃げ切れないことも試算しています。漁業資源をはじめ生物多様性に頼って生きている人間にとってはひとごとでは済みません。
この「成り行きシナリオ」に対するもう一つのシナリオは、排出ガスを大幅に削減して産業革命前と比べた気温の上昇を2度以内に抑える道のりです。気温がいったん高く上がってしまうと、その後に排出量をゼロにしても気温はなかなか下がらないことも世界中のスパコンを使って解明されました。2度以内に気温上昇を抑えるためには、今世紀末までにカーボンニュートラル(排出量をゼロとすること)にしなければなりません。さらに報告書は、排出量をゼロにするだけではなく、大気中の二酸化炭素の吸収量を増やすことも必要であることを指摘しています。光合成に頼る伝統的な植林だけではなく、人工的に二酸化炭素を大気中から濾しとる、地球工学的な技術の開発が不可欠としています。
IPCCのパウチャリ議長は、「2度以内に抑えるのは難しいが、気候が安定しないと私たちの生活はもっと難しくなる。なにもしないツケは大きい。」と強調しています。
二酸化炭素ガスなど温室効果ガスの削減をいかに各国で分担するのかは、今後の交渉の論点でしょう。国ごとの思惑の違いでなかなかまとまらないというのがこれまでの経過です。国という枠組みを超えた、地球レベルのまさにグローバルな視点にたった対応が今こそ必要なことを、報告書はなによりも訴えているのです。
2017年11月
I.M.そろばん副理事長 榎 彰德
消費者支援機構関西理事長
近畿大学農業学部非常勤講師
●ヒロヤの独り言
さて、私事だが、私の病気は「慢性硬膜下血腫」だそうだ。日々具合が良いとか悪いとか騒々しいわけではないが、病院の指示通りにお薬を飲んでいると今までくらくらしていた頭が安定して何事も無いかのように思う。朝は4時に起床し、(つまり、ベットの中で目が冷める)カーテンの向こうの駐車場と森を観る。ここは習志野平野だ・・・
8月に二和病院に入院したけれど、そこは必要な新しい機械がないのでセコメディック病院へ転院して頭部に溜まった水分を抽出した。
ここは二和病院より新しくきれいで組織化されていた。何となくドラマで見かける医者と看護婦と患者の物語が見える気がする。飽くまでもドラマで見かける・・・である。患者の私は主人公でも何でもない唯のヒマな爺さん患者である。
二和病院で運動中に転びセコメディック病院ヘ救急車で搬送され、独りで救急車の人となって涙がでた。等、思い出すのも日課となった。
頼りになった言葉は「急性硬膜下血腫」では無い事だった。そのような訳で何とか事務局のパソコンが私の仕事をしていると言うわけだが―
8月2日に転ぶという事故を起こした時は、おしりと腰を打って黒く打ち身が出来たが
9月末の治療中に主治医の前で足が引っかかり転倒して壁に腰を打った。その時「パチッ」と音がした。ということにより救急車に乗ることとなった。
頭に自覚症状は無かったが二和病院にてレントゲンを撮ると多少陰が出来ている、しかし、セコメディックで見ると軽い脳内出血が起こっていると言われた。医者の見立てによると軽い脳出血のようだ。担当医によると大した症状ではなくしばらく様子を見るのが良いということであった。
私は、医師の指示によりここに入院しているが、事務所に近い二和病院でなければ仕事にならん!!
― 毎日、程よい暖房の効いた 温かい保養地より ―
2017年10月31日
副理事長 荒木 碩哉
●第16回 研修集会 in秋田県角館
埼玉県 関根 由季
今年の研究集会は、秋田、角館。歴史ある街に初めて訪れました。講師の先生のお話しにありましたように、本気の思いが、人を動かすのだなぁと、実感しました。十年前の校長会での教育長さんの、一言の大きさ、そこから端を発し、十年間トップを維持している、その教育の現場にいらした佐藤心一先生より、秋田の探究型の授業のお話しを伺いました。佐藤先生の魔法陣の授業を受ける事が出来、とても楽しかったです。と、同時に授業に際し、めあてとまとめの大切さ、学ばせていただきました。ありがとうございます。準備から、なにから何まで喜多先生にお世話になりました。ありがとうございます。
千葉県 基藤 悠臣
今回、ホームページのリニューアルに伴い、全国教室一覧の掲載と、フェイスブックアカウントの取得を推進するために参加させていただきました。
近年のコンピュータ事情にはそこそこ詳しい一方、そろばんから離れて久しく、最新のそろばん指導の事情にも疎い私には、皆さんにお渡しするものよりも、いただくものの方がまだまだ多く、お役に立てるのか不安になるとともに、IMそろばんをどうにかして盛り上げたい意識が強まった2日間でもありました。
また、普段のセミナーと違い、実際の研修タイムのほかに食事の時間、宿の部屋の中などでも、貴重なお話を伺うことができました。沸き起こるインスピレーションを形にすべく、自分自身がどう動くべきか、帰りのバスの中で考えたいと思います。
茨城県 佐藤 信子
研究集会で角館に行く前に、講師の佐藤心一先生を検索してみた。
文科省委託による実践事例集が発表されてあったが、何とも形式的な用語ばかり連なり、私には読みづらくてたまらなかった。
さて、現地でお会いした先生は、柔らかい笑顔と地方の言葉使いで和やかに話され、基本を大切に愚直なまでの繰り返し学習を続けると、当り前の言葉で締め括られた。小中学生の学習の一端を担う私達に力強い励みとなる研究集会でありました。
千葉県 喜多 吉子
『故郷の山に向かいて言うこと無し
ふるさとの山はありがたきかな』 ~ 石川 啄木
十月の初め、秋田県角館にて毎年行われるI.M.そろばんの研究集会が開催されました。
今からたった60年前のことですが、角館はまるで「江戸」を思わせる程に古城山(ふるしろやま)を中心に殿さんの町として、近隣の町村に住む人々に大切にされ、殿さんを囲んで家来の住む町・大工さんの住む町・商売も呉服やの多い町・金物屋等、町を歩きながら、自分はどう生きるものかと、自分の将来を不思議に思っていた日は、角館町の小学校へ検定試験の為に出かけた日でした。そんな記憶があります。
古城山を越え、下ると、全然違う庶民の生活があり、バスに乗って山を下りながら我が家を愛おしいと感じた小学生は、そろばんの検定試験に出かける日が「バス代と昼食のうどん代という現金を払って「食堂で食べることができる」という「現代の臭いを」幸せに感じていました。
それにしてもこの度、角館中学が「十年間学力テスト1位の座」をとり続けたというタイトルにこだわりを持ってお聞きした講座を、「成る程!!」と自分たちのそろばん指導とその結果=高学年~大学に活かすものを、見つけたのは私だけではないと思いました。
前半の内容をお聞きした。その後講師の「佐藤 心一」先生の講座の一言、「誰がどのようにすればそうなるのかというと・・・先生が頑張りました」「先生が、頑張りました」と強調なさいました。「・・・・・」と、拝聴しながら思う。当日、感想文はすぐには書けませんでした。
「あ!!」と思ったのは帰宅して、夜でした。
佐藤先生は最大の助言に、「思考力を高める効果的教材として、そろばんの中に昔からあった魔方陣を選んで下さった。根気よく少しのヒントで生徒に気付かせ、考えさせる。その間の数式に数を代入して珠算式諳算力は最大限に生かせます。」との啓発だったのです。
そろばんの授業を後押しして下さったと思います。ありがとうございました。
「先生が頑張ります。」
千葉県 菅 幸子
秋田県仙北市、研究集会へ参加しました。仙北市角館は母の実家でしたので、私は長く訪れていなかった母の実家へ30年ぶりに足を運ぶことになり、この2泊3日研究集会は久しぶりの楽しい?親子旅行にもなりました。講師の佐藤先生より秋田県の学力はなぜトップなのか?をテーマに先生方の指導法等教わりました。また、魔法陣の授業を楽しく受けさせてもらい、考える時間、話し合う時間、意見を出し合う時間を持ちながら魔法陣の秘密を知ることが出来ました。子供達が主体の探求型授業と、先生の指導法の重要さを学びました。
秋田県を車で走ると、自然が豊かな景色ばかりでした。実家では5歳~85歳までが集まり、遠方から来た私たちを歓迎してくれました。子供からお年寄りまでいた中で数時間ではありましたが、常に気遣いや、いたわりや、思いやりがあり、自分の幼いころを思い出しました。最近はこういう暮らしのことを忘れてしまっていたような…。
秋田の学力トップの訳は、暮らしの中にも隠されている!と思いました。
埼玉県 山本亜季子
今年の研究集会は、「秋田県の学力は、なぜトップを行くのか?」非公開であるその訳、生の声を聞くために、秋田県仙北市角館にやってきました。秋田県は、小人数学習の30人学級を更に2グループに分けての授業体制、授業のねらいを達成するのためのバランスを重視していることがわかりました。更に、学力テスト後は、各学校の順位が発表され、低い学校は名指しで指摘されるため、校長先生の意識が変化していくとのこと。学力トップの訳、環境と教育(意識)の違いを感じました。
佐藤先生、実際に魔方陣(3マス)の授業をしていただき、ありがとうございました。まずは、めあて…「魔方陣にはどんな秘密があるのか」和の関係から順に解いていくも…いろんな秘密がわかってこそ完成!心地よい脳トレになりました。5マスを教えていただいた後、その先の7マスに挑戦したら完成!楽しませていただきました。
二日目は、開立の解き方を学習、関根先生ありがとうございました。とてもわかりやすくて良かったです。計算方法が10種類もあることには驚きました。指導する上で、いくつかの方法を知っておくこと、その中で、どの方法を選択するかということも大事だと思います。今回、新たに学習した計算方法をマスターできるまで練習したいと思います。
とても有意義な二日間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。
【あきた型算数の手法】 1.問題の提示
2.本時の目当て、ねらい
3.自力思考
4.学び合う時間
5.まとめ
6.評価
7.振り返り(モニタリング)