レポート141号 2017年07月

●巻頭言

恥を知れ!

今年の夏も、平年に比べて暑くなるという予報が出ています。最近は、冷夏より猛暑の夏の方が圧倒的に多いです。
過去30年間の気温の平均を平年気温というようです。平均気温は、年々上昇しています。この上昇している平均気温より高くなるという予報なのです。当然、続いて出てくる平均気温もまた高くなります。年々気温は高くなり、今では、最高気温が35°C以上の日を“猛暑日”というようまでになりました。
なぜこのようになってきたのだろうかと問えば、人々は躊躇なく、温暖化のせいだと言います。温暖化の影響が人間の生活に支障があるようであれば、それに対処する方策を考え実行します。最近、東京などの大都会では、大雨が降った時の対策として、莫大な費用をかけて、巨大な地下貯水池を建設しています。気温が高くなると、大気は、より多くの水蒸気を含ませることができるようになります。ですから、いったん降雨となると、豪雨になることが多くなるのです。
人々は、“なぜ温暖化になっていくのか”を考えないようにしています。化石燃料の消費を抑えなくてはならないからです。つまり、今の快適な生活を絶対に止めたくないからです。ですから、地球温暖化の原因は、化石燃料のせいではなく、間氷期が一層進んで暖かくなっているに過ぎない、という提言に飛びついてしまいます。
私たちが生活をしている地球について、解明されていないことが非常に沢山あります。ですから、地球温暖化現象とその原因と考えられるものとの関連を、科学的に完全に解明することは非常に困難です。風が吹けば桶屋が儲かる以上に、複雑な因果関係と言えます。
地球温暖化の大きな要因に、大気中の炭酸ガス濃度の増加が挙げられています。炭酸ガスの濃度が増加すると、気温が上昇するということも科学的に証明されています。18世紀ころの大気中の炭酸ガス濃度より、今日の炭酸ガス濃度は4割以上増加しているという科学的データがあります。また、1980年代の大気中の炭酸ガス濃度は350ppmであったのに、最近の炭酸ガス濃度は410ppmであるというデータもあります。(気象庁より発表)炭酸ガス濃度は増え続けているのです。
炭酸ガス濃度がなぜ増え続けるのかは、よく分かっていないという人々がいます。科学的に証明しにくいことではあります。しかし、数億年前の化石を燃焼させることにより発生した炭酸ガスを、今日の地球生態系は処理しきれないという科学的事実があります。数十年前から生育してきた樹木を燃焼させることで発生した炭酸ガスなら、今日の生態系が処理することは可能です。
毒矢が身体に刺さった時、その毒の成分を科学的に分析してから対処法を考えるバカはいないでしょう。直ちに実行可能な対処法を講じるべきです。炭酸ガスの増加が、人間が化石燃料を燃焼させることによる可能性が高ければ、完全に証明されていないとしても、直ちに化石燃料の燃焼を止めるべきです。
人間に限らず、あらゆる生物の生きる究極の目的は、その種が生き続けることです。時には、己の身を犠牲にしても子孫を残し続けることを最優先にしています。そのためには、循環型の生態系が、完全に守られるべきです。ですから、地球温暖化は絶対に阻止しなくてはなりません。したがって、化石燃料の消費で保証されている快適な生活は、諦めなくてはならないのです。それを拒否している限り、地球温暖化は止まりません。
快適な生活を支えているのは、経済です。経済は拡大し続けなければならないと考えている人がいます。そのためには安い化石燃料を使い続けることが不可欠と考えているようです。地球環境のことをあまり重要視していない国との経済競争に勝ち続けるためには、地球環境のことを考えることはできないと思っているようです。
間氷期が進んできた結果の地球温暖化であるという考えに縋って、化石燃料の使用を止めないという方針を打ち出し、地球環境のためのパリ協定からの脱退を決めた大国があります。経済のことだけを考えるとそうなるのでしょう。しかし、人類が生き続けるという目標に反するような経済の発展は、絶対にすべきではないのです。
より多くの利潤を上げることが経済発展の指標になっています。もともと、利潤というのは経済活動の効率性を見るためのもので、経済活動の目標ではなかったのです。利潤の最大化が、資本主義社会における経済活動の唯一最大の目標になってしまい、もともとの人類の経済活動の意義を無視してしまいました。人類が生き続けることを危うくするような利潤拡大化競争などは、知恵ある人類が選ぶ道ではありません。
利潤は、収益から費用を除いたものです。いずれも価格で表されます。物価は、そのものの価値を表しているものだと思われがちです。しかし、実際の価格は、人間が都合の良いように適当に決めたものにすぎず、そのものの価値を表しているものではありません。ガソリン1ℓの価格が200円であれば、ガソリンの価値は1ℓ200円なのでしょうか。もしそうなら、200円でガソリンを創ってみてください。絶対にできないです。
そんな価格で表示された利潤に一喜一憂している人類は滑稽です。愚かです。知恵ある人なら、価格で表示できない大切なものが、数多くあることを知っています。
地球上の人類を含むあらゆる生物が生き続けることを保証してくれる循環型の生態系は、何をさておいても絶対に守られるべきものです。それを完全に無視して利潤の最大化を最優先させることは、地球上に生きている一生物種として、誠に恥ずかしいことです。
多くの生物種が生き続けることを、全く考える必要が無いという選択をしているのです。今は良いかもしれません。しかし数世代先の生存は、危ういのです。自業自得ですから、仕方ないかもしれません。しかし、何の罪もない他の多くの生物種も、そのせいで、滅亡していくのです。恥ずべきことです。“恥を知れ!”と、大きな声で言いたいです。
多くの人々が、経済最優先ではだめだと気付いています。ですから、地球環境を守るためにいろいろ条約などを作っているのです。それを今になって経済最優先と言い始めている大国に対して、毅然と“異”と言えなければいけないです。そんな簡単なことが分からないのは、恥ずかしいことです。人間としての基本的な知恵が欠如していることは、恐ろしいことではないでしょうか。

理事長 荒木 光(京都教育大学名誉教授)
http://plaza.rakuten.co.jp/honkideeco
(2017.7.)

―特別講演を拝聴してー

 

エミール君の講演

埼玉県 関根 由季

アメリカで生まれ育った私の考える珠算教育という特別講演をお聞きしました。

ご両親の愛情いっぱいの元、とても優しいお人柄の伝わるお話、ありがとうございました。

そろばんで培った力を活かして、高校生活・大学生活を充実して送られていること、とても素晴らしいですね。

プリンストン大学のお話しも伺え、又将来の夢も聞かせて頂きました。

本日は、ありがとうございました。

 

千葉県 菅 南衣安

内容が難しかった。でも、考えてロボットとか大きい玉と小さい玉を分ける機械を作ったりするのが面白そうでした。

今は、そろばんをやっていて何が得するかよくわからないけれど、必ず何か役に立つと思うので、がんばって十段とりたいです。

 

静岡県 渡邉 真一

エミール君の話を聞かせてもらい、自分の生き方がしっかりしているなと感じました。プレゼンを日本語で話すのが初めてとは思えない話しで、とても楽しい時間を頂けました。

弟さんもそろばん九段で18歳で、将来珠算指導をしたいと笑顔でお話しなさったことは、姉弟とも素晴らしい人達だと感じました。

遠いところから、ありがとうございました。

 

千葉県 喜多 吉子

最近はそろばんの研修に全く出かけていません。久し振りで「そろばんの漬け物」のような雰囲気の勉強から脱出して、さわやかな講演をお聞きしました。

 

第一に、足取りさわやかに歩を進めるエミールは、日本の若手のそろばん屋では身に付いていない歩調です。そして、きっちり背筋を伸ばして思いやりのある言葉を発しました。

幼いときから、「日本からそろばんの選手がそろばんの先生と一緒にやって来る」という事で、それをサポートする事が彼等の「親へのサポート」でした。お客様にイヤな思いをさせない紳士の行動を見せてくれていました。何度も参加させていただくと申し訳ない思いをする程でした。

さて、彼も22歳です。皆さんがご存じの大島先生と恭子先生に大変良く似ていらっしゃいましたね。

若き大島先生が荒木先生とお腹を空かせてサトウキビの汁を食し、シャワーと飲料水は公園の水道でまかなったあの頃の心生きが伝わってこそ今があることでしょう。

この二人のご兄弟がそろばんの基礎を今満喫して、「人の脳と、指で行うべきそろばん」を「如何なるそろばん」として後世に伝えていただけるかとても楽しみです。

 

―アメリカで生まれ育った私の考える珠算教育―

愛知県 山田 ふえる

“工学”で必要な5つの要素を伺いました。計算力・説明力・工夫力・判断力・社交性。その中の工夫力のお話しで数学の練習をするという事でした。

相通ずるものがあり、納得しました。

 

埼玉県 佐藤 康太

日本とアメリカでは大学教育はかなり違う印象を受けました。日本では転部・転科する人は少なく、自分に合わないと感じたら大学に来なくなり、去っていく人が殆どだと思います。しかし、アメリカの大学では転部・転科して自分に適した学問に進む人が多いと言うことは、大学の環境もあると思いますが、アメリカの人達は自分がやりたいことを満足するまでするという性格の違いが分かりました。満足するまで、突き進みたいと思いました。ご講演、ありがとうございました。

 

大嶋エミール君の講演を拝聴して

藤本 トモエ

優秀な成績でオバマ前大統領が卒業したと同じ高校を卒業し、プリンストン大学卒業、カルフォルニア工科大学ヘ進学するエミール君の講演は、さわやかで未来を感じさせるものでした。

アメリカの学教育のオープンで自由な発想の元、そろばんの能力も開花したように思う。

そろばん教育の良さを体感し、実践して来たエミール君の経験を日本のそろばん教育に活かすことを考える時である。

 

ルネ君、エミール君の講演を聴いて

千葉県 喜多 高明

1、まず、アメリカンナイズの好青年に育っていると感じた。

2、人種のルツボといわれるアメリカで伸び伸びと成長されていることがうらやましい。

3、そろばんにこだわらず、常にポジティブに物事にチャレンジして行く姿が頼もし!!

 

自然エネルギーとそろばん

神奈川県 中村 伸子

立派に成長されたエミール君の姿に大島先生の姿が重なりました。

そろばんが役に立ったとかではなく、これからの人生設計に確実に組み込まれていることは力強いと思います。10段を獲得するまで様々な努力を重ねなければならない。誰にでも出来ることではないと改めて感じます。

私の願いは風力発電を是非是非成功させて頂きたい。環境問題がこれからの一番大切な課題です。どちらも自然エネルギーです。

これからの益々の活躍を楽しみにしています。

 

追伸

ハワイでは大変お世話になりました。小さな紳士にエスコートされた思い出がよみがえりました。

有り難うございました。

 

兵庫県 奥山 慎介

本日は、珠算を通じ、エミール様の価値観を知る事ができ大変良かったです。

教育とは何か?現場でどう子供に接すればエミール様みたいに育つのか?と考え仕事をしていけたらと思います。

 

一番大事なこと、<宿題をする>ということが一番響きました。本日は、ありがとうございました。

アメリカで生まれ育った私の珠算教育

茨城県 北原 美智子

そろばんを5歳から始め、7年間で10段(諳算)1年後、珠算10段を合格され、頑張ってこられました。もちろん語学も含めての事、感心しました。

22歳!お誕生日おめでとうございます。そろばんで学んだこと、大学生活と関連づけて説明していただき、良く分かるよう説明していただきありがとうございました。今後のご活躍を楽しみにしております。

 

エミール先生・ルネ先生感謝します

島根県 天津 鶴彦

すばらしい話しが聞けた良かった。そろばんを両親から習得された。珠算教育により正しい考え、解答を誤答の判断能力が身に付くと言われた。

プリンストン大学ではお金が無くても教授のサポートをしたり研究の協力ができると、自分の研究にも没頭できるという。世界でも最高の大学ですね。

 

千葉県 菅 幸子

まだまだ聞きたいことが沢山ありすぎるという気持で終わってしまったエミール君のプレゼンテーションでした。

「珠算教育で得たスキルは、世界に通用する一生の宝物」の内容がとても良く分かるものになっていました。

彼がそろばんを相当な練習をしたと思われる7年間で10段を取得して養われた計算力・工夫力・判断力・社交性・説明力・集中力・記憶力・自信・・・それらを存分に活かす事の出来た大学生活は素晴らしいものだったことでしょう!それをしっかりと気付いていることも魅力です。これからのご活躍も期待致します。ありがとうございました。

エミール君、ルネ君、お二人とも素敵な青年になっていました。お会いできてとても嬉かったです。今年のそろばんオリンピック in Hawaii またお会いしましょう。

 

― 関東 アーリーサマーキャンプ ―

 

千葉県  喜多 吉子

毎年の恒例ですが、今年から各行事を担当する委員会が活躍してくれるようになりましたので、菅先生へお任せして、自分の担当部分で気をつけて進めました。

食事の担当を「宜しく!」と依頼されて、本来ならカレー作りを勉強に活かすことを薦めていましたが、サンドイッチになりました。生徒と一緒にこういう方法もあったのです。 私の教室が春の授業参観で出席者が少なく、残念でした。が、参加者にとってはとても練習に追いまくられますがやったことは楽しくてみんな満足げでした。

 

千葉県  菅  幸子

今年はアーリーサマーキャンプの担当をさせていただきました。参加の先生方にはたくさん助けてもらい、本当に感謝です!

このこどもの国は、たくさんの緑があり広くて子供達がのびのびと遊べるとてもいい場所でしたが、戦争にまつわるエピソードなどもあったため、ここはどんな場所かということも生徒たちに伝える良いチャンスと思い、スタッフとたくさん話し合いました。

そんなわけで、盛りだくさんのセッションをこなしながら時間が足りなくなってしまったこともしばしばありながらも、生徒たちはしっかり学んだようだと思いました。 また来年、宜しくお願い致します!

 

埼玉県  関根 由季

今年もやってきました「アーリーサマーキャンプ」生徒たちのとても楽しみにしているそろばん合宿です。お天気にも恵まれ、楽しく一泊二日を過ごしました。

IMならではの肝試しでは、中・高生スタッフの頑張りのもと、どの子もキャーキャー言いながら楽しめた様子です。英語読み上げ算練習・キャンプそろばん大会・回転算新幹線ゲームなどの練習の他、段位練習者の弾きを間近できたりとてもいい刺激もありました。諸先生方スタッフのみんなの準備のおかげで、皆が楽しく過ごせたこと、そろばんの楽しみも体験できたこと、心より感謝申し上げます。

頑張った生徒のみなさん、「ありがとう」そして、これからも、がんばろうね~♪

埼玉県  山本 琢也

今年は到着するのが早く、他の教室の生徒が来ていなかったので生徒達は鬼ごっこ

こをして待っていました。その後、他の教室の生徒と合流し、軽く遊んでから昼食を食べ、練習開始。いつもと違う練習に四苦八苦。夕食の後はまさかの皿洗い。

夜は恒例のきもだめし。中学生はオバケ役なのですが、今回の場所はどうやら本当のオバケが出るらしく、中学生のオバケが本当のオバケにびびっていました。翌日の昼食はみんなでサンドイッチ作りをしました。盛り付けで班ごとに対決をしたのですが始めは綺麗だな~と思っていた班が完成のころにはあれ?というような班もありました。作るのに時間がかかってしまい、食べきれず袋に入れて持ち帰る人も何人かいましたね。家に帰ってから食べたのかな?帰りの電車ではキャンプで学んだのか6年生がみんなのことをまとめてくれていました。

埼玉県  山本亜季子

今年は神奈川県にて開催、二日間、天気にも恵まれ無事に終了することができました。今回のセッション、昨年とはまた違った良さがたくさんありました。子供たちの一生懸命取り組んでいる姿を見ることで、勉強させられる部分等もたくさんありました。

このキャンプ、参加者には「また参加したい!」という思いで帰っていただきたいと思っています。(そんなキャンプだったのではないでしょうか…)

担当の先生をはじめ、諸先生方には準備時から大変お世話になりありがとうございました。本当にお疲れ様でした。

以上

●ひろやの独り言

エミール君 ルネ君ありがとう!!

毎年、総会終了後、学識者に講演をお願いしている。
今年は私の秘蔵子中の秘蔵子、大嶋エミール君とルネ君を講師に招待した。両君はハワイ生まれで、エミール君はそろばん10段と、諳算10段取得。ルネ君はそろばんも諳算もそれぞれ9段合格をしている。以前ハワイに来られたある先生は「先生素晴らしいですね、生徒さんはどれくらいおられますか?私が正直に答えるとすかさず、月謝はいくらですかと質問される。
される恐らく頭の中では生徒数と月謝をかけ算しているのだろう。それと同じで、段は1審2審はハワイで、3審は日本の本部で審査します。と答えると、先生はニヤと笑われて、私の答えを信じていないようだった。以前アメリカの選手が日本へ来たときアメリカで取得した級が日本の選手と若干異なっていた記憶があった。一部の先生はそれを知って大騒ぎをしておられた。私は当時のアメリカの先生に対し、「責任がある」と思った。今日、ハワイの生徒は日本の生徒とレベルに遜色はない。
講師のエミール君を紹介しようと演壇に立とうとすると、ある先生が私に質問され、「荒木先生、最初大嶋先生がハワイへおいでになった年齢と今のエミール君と同じ年代でしょうね」と質問された。私の横に立っているエミール君を見ていると大嶋先生の若い時とそっくりで当時を思い出し突然泣けてきた。

当時、生徒も未だ入塾者も無く、食べるものも無く、夜になるとサトウキビ畑へ行き、サトウキビの汁を吸っていた。サワサワと大きなサトウキビの葉がゆれる間を通してみる夜空は、今にも星が降り注いでくるようにステキに見えた。明け方、畑を後にし、大声で賛美歌を歌いながら家路についた。未だ生きている御礼の心で。
大島 夫婦も尚々健在で、エミール兄弟同様、「日本生まれのそろばん」を愛し、日本とアメリカの交流を生き甲斐としている親子である。 ・・・ つづく ・・・

2017年7月
荒木 碩哉

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